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脂肪分解、促進たんぱく質…メタボ治療に期待

自然科学研究機構生理学研究所(愛知県岡崎市)の富永真琴教授(57)らの研究グループは、脂肪を分解して熱を発生させる働きを高めるたんぱく質「TRPV2チャネル」を見つけたと発表した。

 メタボリックシンドロームの治療などへの応用が期待できるという。

 脂肪の燃焼は「褐色脂肪細胞」内で、たんぱく質の一種「UCP1」によって行われるが、研究グループは、これとは別のたんぱく質「TRPV2チャネル」が燃焼効果を高めていることを解明したとしている。

 マウスを使った実験では、「TRPV2チャネル」を持たないマウスはエネルギーの消費が少なく、肥満になりやすかった。

 富永教授は「TRPV2チャネルの働きをコントロールすることで脂肪の燃焼を活性化できれば、メタボリックシンドロームの治療や肥満の改善にもつながる」と話している。

 研究成果は、ヨーロッパ分子生物学会誌「EMBOリポート」3月1日号に掲載される。