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iPS研究の工程表公表 毛包や歯がお目見え

 文部科学省は4日、さまざまな細胞や組織に成長させられる人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った再生医療研究の10年先までの目標を盛り込んだ工程表を公表した。

 工程表は2009年に初めて作成され13年に更新、今回は2回目の改定。新たに毛包や歯など5組織が加わり、再生を目指す細胞・組織は19になった。

 昨年9月に実施した世界初の網膜の再生医療に続くと期待される京都大のパーキンソン病治療については、これまでの想定より少し遅れ「1~2年後に臨床応用開始」とされた。毛包は4~5年後、歯は7年後以降の見込み。

 工程表は作業部会が11月11日付で改定。安全性を確認する臨床研究と国の承認を目指す治験とを分けて記載していたが、部会で委員から「分かりにくい」との意見が多く出たため、人を対象にする研究開発段階を意味する「臨床応用」に一本化した。