記事一覧

話題となるインフルエンザ

 毎年、この時期に流行し、大きな話題となるインフルエンザ。予防接種を受けたり、マスクをしたりと様々な方法で対策をしているが、歯周病菌の一つがウイルス感染を助長している可能性があることを、日本大学口腔細菌学講座の落合邦康教授らの研究チームが発表した。インフルエンザウイルスは、表面にあるタンパク質がタンパク質分解酵素の作用で変化すると感染力が高まる。通常、この変化は喉や鼻などの呼吸器官の細胞が持つタンパク質分解酵素の作用で起こるが、ジンジバリス菌が産生する酵素でもその作用を起こす可能性があるという。落合教授らは、2014年に流行したA香港型ウイルスで実験。インフルエンザウイルスに感染させた細胞に細菌の培養液を混ぜ合わせたところ、ジンジバリス菌が産生するタンパク分解酵素がウイルスの細胞内への侵入を促進させることをつきとめた。