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歯科診療情報を一元管理 鶴見大が運用開始、身元確認に期待

大規模災害時の身元確認に役立てるため、鶴見大学先制医療研究センター(横浜市鶴見区)は歯科診療情報を一元的に管理するシステムの運用を始めた。横浜市歯科医師会との包括連携協定に基づく事業。各地の歯科医師の協力でデータを集め、管理する。

 患者の同意を前提に、歯科診療情報や歯型の画像情報などのデータを蓄積し管理する。大規模災害時には検索システムで該当者をおおまかに絞り込んだ上で、最終的には専門の歯科医師が照合して身元を特定する。

 データを蓄積するサーバーは学内に設置。災害時には身元確認作業が行われる施設などのパソコンからもアクセス可能にする。

 伊藤克子鶴見大学長と杉山紀子横浜市歯科医師会会長らが24日に運用説明会を開催した。開発の中心となった鶴見大の佐藤慶太教授らによると、東日本大震災で亡くなった人の身元確認に、歯科治療歴を記したデンタルチャートとの照合が役立った。このことが今回のシステム構築のきっかけになったという。

 歯科診療情報を保有していた開業医自体が被災しデータが失われたケースもあったため、「地域における大学の役割」(鶴見大)の観点からシステムを学内で管理することにした。