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歯周病と糖尿病の関わり

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歯周病と糖尿病のメカニズムの重なりを検討してみましょう。糖尿病患者ではAGEsが非常に多く産生されます。これがマクロファージのレセプター(RAGE)に結合すると、マクロファージが活性化します。活性化したマクロファージはTNF-α、IL-1β等のサイトカインやPGE2を産生し、それが糖尿病合併症につながると考えられています。

 歯周病側からも見てみましょう。歯周病原細菌はグラム陰性偏性嫌気性菌のため、LPSを持っています。LPSはマクロファージを活性化し、TNF-αやIL-1β等のサイトカインやPGE2が産生されます。これらのサイトカインやPGE2が破骨細胞を活性化し、歯周病の進行につながると考えられています。マクロファージ、AGE、そしてLPSを軸にして、歯周病の重症化と糖尿病合併症のメカニズムが重なってきました。