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子どもの事故、動画で啓発 産総研が100種公開 「医療新世紀」

乳幼児の事故は、大人が目を離したわずかな隙に家の中でも起きる。起きやすい事故の形態は発育段階によって変わるため、それを保護者に知らせて予防に役立てようと、産業技術総合研究所が家庭内の事故をコンピューターグラフィックス(CG)で再現した動画集を作成、インターネットで公開している。

 計100種の動画は、国立成育医療研究センター(東京)が集めた約2300件の実際の事故事例などに基づく。子どもの発育段階を、できる動きによって(1)寝返り(2)お座り、はいはい(3)つかまり立ち、よちよち歩き(4)転ばず歩行(5)走る―の5段階に分け、それぞれの時期に多い事故、特徴的な事故を数秒~数十秒の動画にまとめた。

 例えば、寝返りができる時期までは、柵を外したベビーベッドや一時的に寝かせたソファなどから赤ちゃんが転落する事故が多い。成長するに従って子どもの手が届く範囲が広く、高くなっていき、事故の形態も誤飲、やけど、転倒、衝突など多様になる。

 高い位置にある引き出しを開けて子どもが薬のカプセルを口に入れる、トイレの便座に上った子どもが足を滑らせ転倒するなど、どこの家でもありそうな光景にどきりとさせられる。

 作成した産総研デジタルヒューマン工学研究センターの北村光司(きたむら・こうじ)主任研究員は「どんな事故があり得るのか、できるだけ具体的なイメージを持ってもらうことが予防につながる」と話し、今後さらに内容を充実させたいとしている。動画集は経済産業省の事業として立ち上げたサイト「キッズデザインの輪」から見ることができる。

※動画集のURLはhttp://www.kd―wa―meti.com/contents―Animation.html