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口腔ケアやリハビリ 看護師・医師ら考え方、手法学ぶ 講演会

救急医療や手術、専門性の高い疾患を診療している急性期病院でも、患者が自分の口から栄養を取るための口腔(こうくう)ケアやリハビリが重要とする講演会が、富山市西長江の県立中央病院(野田八嗣院長)で開かれ、看護師や医師ら約100人が考え方や手法を学んだ。医学界では近年、治療の初期段階で患者のケアやリハビリの重要性が認識されているという。

 日本大歯学部の植田耕一郎教授が「急性期病院の摂食・嚥下(えんげ)リハビリテーション」と題して講演。「脳卒中などを発症して口がまひすると、虫歯が加速する。誤嚥性(ごえんせい)肺炎の予防などのためにも、手足と同じように口もリハビリが必要」として、口から栄養をとる際の患者の姿勢や、飲み込みやすく安全性が高いゼラチンゼリーを使った訓練などについて解説した。

 講演会を主催した同院栄養サポートチームの一人、看護部の松村江美子さん(脳卒中リハビリテーション看護認定看護師)は「リハビリをするための体作りには栄養が必要で、そのための口作り。口内に残った菌の死骸を除去するスポンジブラシや、口中の乾燥を防ぐ保湿剤などをケアに使っていますが、市販品もあるので患者さんがいる家庭でも活用してほしい」と話している。