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元歯科院長を賠償提訴 死亡2歳女児の両親

埼玉県新座市の歯科医院「にいざデンタルクリニック」(閉院)で2010年6月、当時2歳の女児が治療中に脱脂綿をのどに詰まらせ死亡した事件で、女児の両親が、元院長(40)と同クリニックを経営していた医療法人「社団清粋会」に計約7800万円の損害賠償を求め、さいたま地裁に提訴したことが17日、分かった。

 提訴は4月3日付。第1回口頭弁論は30日に開かれる。病院側の弁護士は取材に「道義的責任は感じているが、法的責任については裁判所の判断を仰ぎたい」と話した。

 訴状によると、女児は10年6月、自宅で椅子から転倒して上前歯を負傷し、同院を受診。元院長の指示で、母親は診療台の上で女児を抱き、助手3人が頭や手足を押さえ付けた状態で治療を始めた。

 女児が嫌がって手足をばたつかせる中、元院長が上唇と歯茎の間に円筒状の脱脂綿(直径約0・8センチ、長さ約2・5センチ)2個を挿入。うち1個を誤って女児の口の中に落として気道をふさぎ、搬送先の病院で死亡させた、としている。

 事件をめぐっては、10年12月に埼玉県警が業務上過失致死の疑いで元院長を書類送検した。