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アナフィラキシーを知ろう  疾患啓発サイト開設

食物アレルギーは、短時間のうちに全身性の症状が現れる「アナフィラキシー」を引き起こすことがある。重い場合は急激な血圧低下や意識障害などのショック症状で死亡することもある。危険なアナフィラキシーを理解し、社会全体で患者の命を守ろうと、製薬企業ファイザー(東京)が疾患啓発サイト「アナフィラキシーってなあに.jp」を開設した。

 食物アレルギーといえば、東京都調布市の小学校で昨年12月、乳製品にアレルギーのある女児(11)が給食でチーズ入りのチヂミを食べた後、アナフィラキシーショックで亡くなった事故が記憶に新しい。同市教育委員会の検証委は、アレルギーの原因物質を取り除いた「除去食」の提供方法や、女児が持っていたアナフィラキシー症状を緩和するアドレナリン自己注射薬をすぐに打たなかったことなど、学校の対応に問題があったと指摘し、適切に対応していれば「女の子の命を守れた」と結論付けた。

 ファイザーは国内唯一のアドレナリン自己注射薬「エピペン」を販売している。「近年、食物アレルギーの子どもが増えている。社会全体が正しい知識で対処できる環境づくりが重要」としてサイト開設に踏み切った。

 アレルギーやアナフィラキシーに関する基礎知識のほか、卵や乳製品、小麦などアレルギーの原因となる食品ごとの注意点、研究段階の最新治療法、エピペンの使い方などを分かりやすく解説。病院検索サイトにリンクしてアナフィラキシー対策を相談できる医師を探す機能も備えた。食物と同様にアナフィラキシーを起こすハチ毒についても充実させていく。