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入院した日から口腔ケアを行なえていますか?

C病院のある町は、町民のほとんどが高齢者であるうえに老老介護の世帯が非
常に多く見られます。たとえばご主人が入院すると、その準備は奥さまがしなけ
ればなりません。ですが、奥さまも自分のことで精一杯。入院の際に必要なケア
用品がそろわず、看護師さんは頭を悩ませていました。とくに口腔ケア用品は、
準備されないことが大半だったそうです。

 そこでC病院では、パジャマ・タオル・洗面器・コップなどをそろえた「アメ
ニティセット」を考案。患者さんが入院時にケア用品を準備しやすいシステムを
導入しました。もちろんその中には、入院した日からしっかり口腔ケアに取り組
めるよう、粘膜ブラシ(柄付くるリーナ)が入っています。

 それまで、口腔ケアを開始できるのは入院して3、4日経ってから。その時点
で口腔内はかなり汚染されてしまっていました。しかし、アメニティセット導入
後は、入院当日から唾液を分泌させる口腔ケアができるように。
 さらに! 口腔内の汚染が軽減されることで、患者さんの二次感染のリスクも
減少。ケア面の清掃保持だけでなく、キュア面の二次感染予防においても大きな
成果が出ているのです。

 看護師さんのひとりは言います。
「“口腔ケアをしたいのにできない”という精神的なイラ立ちがなくなり、口腔
ケアへの意欲がますます高まっています」

 皆さんの病院でももう一度、ケア用品を見直してみてはいかがでしょうか?
入院した日から口腔ケアを提供できることで、口腔の汚染からくる“誤嚥性肺炎
の予防”や“口の廃用予防”につながります。