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真空パック食品は冷蔵を 常温だと菌繁殖の恐れ

コンビニやスーパーで販売されている真空パック詰めの総菜などを、レトルト食品と混同して常温保存するとボツリヌス菌が繁殖する恐れがあるとして、厚生労働省は19日、購入後はきちんと冷蔵するよう消費者に注意を呼び掛けた。リーフレットを作成し、自治体を通じて配布する。

 「最強の自然毒素」といわれるボツリヌス菌は、酸素が少ない密閉状態だと繁殖しやすい。食中毒を起こすとまひや呼吸困難の症状が出ることもある。3月に鳥取県の60代夫婦が真空パック詰め食品で食中毒を起こし、意識不明となった事例も厚労省に報告されている。

 同省によると、カレーなどのレトルト食品の場合は、菌を死滅させるため「120度で4分以上の加熱」などが義務付けられており、常温で保存できる。

 これに対し、真空パック詰め食品は常温保存が想定されていないが、密閉式の包装形態がレトルト食品と似ており、本来は要冷蔵なのに常温保存できると誤解されることがあるという。

 厚労省は真空パック詰め食品の製造工程でレトルト食品と同様の基準で加熱したり、包装の目立つところに「要冷蔵」と記載したりするよう製造業者に要請している。