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日歯は自民、揺れる日医 支援政党で方針割れる 「大型サイド」医療団体の参院選対応

来年夏の参院選をめぐり、医療団体の対応が割れている。日本歯科医師会の政治団体である日本歯科医師連盟(日歯連)は民主党政権の誕生後にいち早く支援に回ったが、政権弱体化を受け自民党に再接近。一方、日本医師会(日医)の政治活動を担う日本医師連盟(日医連)はまだ態度を明確にしておらず、政治情勢を見極める構えだ。各団体の動きは衆院選にも影響するのは必至だ。

 「歯科界を豊かに輝かしいものにするために、何とぞお力を」。10月31日に都内で開かれた日歯連の臨時評議員会。来夏の参院選比例代表で自民党現職の石井みどり氏の推薦を決めた直後、石井氏が全国から集まった約70人の評議員に深々と頭を下げると、大きな拍手が湧いた。

 日歯連はかつて、政治献金や国政選挙での推薦を通じて自民党政権とのつながりを深めた。しかし政権交代で方針転換し、2010年の参院選では民主党公認の西村正美氏を支援した。10、12年度の診療報酬改定で歯科は医科を上回る改定率が認められた。

 それが来夏の参院選では再び転換。石井氏を推薦するだけでなく、日歯連前理事長の島村大(しまむら・だい)氏が神奈川選挙区で自民党から出馬することになった。こうした動きは「民主党をかなり刺激している」(関係者)。