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歯科医師会への請求を地裁棄却 アスピリン喘息死、医療過誤認めず 群馬・桐生歯科医療過誤損賠訴訟

桐生市歯科医師会の休日診療所で歯の治療を受けた後、10年1月に死亡した男性(当時53歳)の遺族が同医師会を相手取り計約6870万円の損害賠償を求めた訴訟で、前橋地裁(西口元裁判長)は31日、原告の訴えを棄却した。

 判決によると、男性は非ステロイド性抗炎症薬の投与によって誘発される気管支喘息(ぜんそく)「アスピリン喘息」を患っている可能性があった。患者への解熱鎮痛薬ロキソニンの投与は禁じられているが、同診療所で治療後、処方されたロキソニンなどを服用。間もなく心肺停止状態になり21日後に死亡した。

 判決で西口裁判長は、(1)男性はそれまでアスピリン喘息と診断されたことがない(2)以前、非ステロイド性抗炎症薬を処方され服用したと思われるが異常はなかった――ことから、ロキソニン投与によって重い発作を引き起こすことは予見できなかったとして、担当医師の過失を認めず、男性の死亡との因果関係も認められないと判断した。
毎日新聞社 9月1日(土)