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踏切事故訴訟、争う姿勢 てんかん発作の歯科医

三重県四日市市で2010年、車の追突で自転車を踏切に押し出され、電車にはねられ死亡した中国籍王定祥(おう・ていしょう)さん=当時(23)=の両親が、車を運転中にてんかん発作を起こした歯科医の池田哲(いけだ・てつ)医師(48)に約5340万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が7日、津地裁四日市支部(斉藤一美(さいとう・かずみ)裁判官)であり、池田医師側は請求棄却を求め、争う姿勢を示した。

 訴状などによると、池田医師は10年12月30日、運転中に発作で意識を失い、遮断機が上がるのを待っていた自転車に追突。王さんを含め3人が電車にはねられるなどして死傷した。

 王さん側は「主治医から運転しないよう注意されていた。医師の経歴にかんがみて、重大事故を引き起こす危険性を十分に認識していた」と主張している。

 池田医師は自動車運転過失致死傷罪で禁錮2年10月の判決を受け、最高裁に上告した。ほかの死亡男性の父親が損害賠償を求めた訴訟は、既に和解した。