記事一覧

人工歯自然な色に

東ソーは入れ歯・差し歯向けの高品質素材を開発した。耐熱性セラミックス材料であるジルコニアの粉末を細かくして光沢感を高めると同時に、鉄分を混ぜることで自然な黄色みも実現できる。審美歯科向けに4月から販売を始める。同社は約20年前からジルコニア系の高品位歯科材料を手がけ、現在は世界で唯一のメーカーとなっている。同材料は金など貴金属の歯科材料に比べて磨耗しにくく、堅い食べ物をかみ続けても10年以上は割れないといった特長がある。ただ色が真っ白で光沢がなく、前歯に使うと不自然になるなどの問題点があった。
 新開発した「Zpex Yellow」は、ジルコニアの粉末を従来より2割程度細かくして純度を高めた。1㌘の粉末を13平方㍍まで伸ばせるという。高密度で強度のある入れ歯・差し歯に加工でき、輝くような光沢感を引き出せるという。
          日経産業新聞 2012.4.2