記事一覧

口内ケア 歯科医と連携

抗がん剤や放射線治療を受けると、口内炎など口の中のトラブルがよく起きる。身近な医療機関で治療が受けられるよう、がんセンターと開業歯科医が連携する「静岡モデル」が注目されている。
 抗がん剤や放射線治療で体の抵抗力が落ちると、口内炎や感染症にかかりやすくなる。口内炎のばい菌が肺に入って誤嚥性肺炎を起こす危険も強まる。県立静岡がんセンター歯科口腔外科部長の大田洋二郎さんは10年前から、がん患者の口のトラブル予防に力を入れてきた。
 06年からは、入院前や退院後の患者が自宅近くで通いやすいよう、県内の開業歯科医との連携を始めた。現在、県内の歯科医の3割にあたる411人が、同センターの講習を受けた「連携歯科医」として登録されている。
 同センターの食道がん患者で口腔ケアを受けた患者さんは、手術後の肺炎の発症率が、口腔ケアをしない場合の3分の1に減った。食道がんのほか、他のがんで抗がん剤治療を受ける患者にも、連携歯科医による口腔ケアを年度内に始める。
                読売新聞 2011.12.1