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自分で修復できるのが初期虫歯

虫歯というと、すぐに歯科医院で治療を受けなければと考えがちだが、うれしいことに初期虫歯の段階なら、自分で簡単に修復することができる。歯の表面は常に溶けたり修復されたりを繰り返しているからだ。歯の表面からハイドロキシアパタイトなどのミネラル分が溶け出すことを「脱灰」といい、修復されることを「再石灰化」という。口の中が酸性に傾くと脱灰が進み、中性なら再石灰化が進む。
 口の中を酸性に傾ける最大の原因が食事だ。食事をすると必ず口の中は酸性に傾き脱灰が進んでしまう。一方、それを元に戻す力を持つのが唾液で、口の中を中性に保つ働きがあるため、食後放っておいても口の中は除々に中性に戻る。また。唾液中には歯を修復するためのミネラルであるリン酸やカルシウムがあり、中性に近い状態ではこれらが歯に取り込まれて、再石灰化が進みやすくなる。つまり、常に私たちの口の中では脱灰と再石灰化がシーソーのように行ったり来たりしているが、そのバランスが良く、再石灰化力が強ければ自然と初期虫歯を治せるということだ。
                日経ヘルス 2011.11