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北海道・「がん対策推進条例」原案まとまる  アスベストや放射線の影響を指摘する条例は全国初

道は、4月施行を目指している「がん対策推進条例」の原案をまと
め、来年度に改定する「道がん対策推進計画」に具体的な経済支援
策を盛り込むことを検討しており、患者団体は踏み込んだ支援策を
求めている。道内では1977年以降、がんが死因のトップを占め、
2010年は死亡数の32.2%となる1万7828人ががんで亡くなっている。
2008年3月には道がん対策推進計画が策定され、がん検診受診率を
50%以上にすることなどを目標に掲げたものの、検診受診率は全国
平均よりも低く、胃や肺、腸等各がんの検診受診率は18.7~30.0%
に留まっている。この為、道は「計画だけでは不十分」と判断し、
条例の策定作業を進めてきた。道がん対策推進条例原案は「がん対
策を総合的に推進し、道民が心身ともに健康で心豊かな生活を送る
ことができる社会の実現に寄与すること」を目的に掲げ、道や保健
医療福祉関係者の責務のほか、教育関係者の責務も指摘。児童・生
徒ががんへの理解を深める為の教育推進を謳っている。また、前文
では「がんの要因にはアスベスト(石綿)などの化学物質との接触
や、放射線の被ばく等様々なものがある」と明記。道によると、ア
スベストや放射線の影響を指摘する条例は全国初だという。さらに、
他府県にはない「難治性がん対策の推進」や「後遺症対策の推進」
も盛り込んだ。