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「お正月は家で家族と過ごしたい」 チームの連携が、患者さんの願いを叶えました

看護師Mさんと78歳の患者さんのエピソードをご紹介します。
 進さん(仮名)が入院したのは去年の8月。軽度の脳梗塞のため、意識がはっ
きりしない状態でした。Mさんをはじめとする看護チームが必要だと考えたのは、
意識回復の手助けとなる口腔ケア。Mさんはさっそく計画を立てました。
まずMさんは、使用する用品と手技を統一。誰が担当しても同じ口腔ケアを提
供できる体制を整えました。そして毎日、口腔内に刺激を与えるために氷で清掃
し、ブラシで頬粘膜のマッサージを行なったのです。

 すると次第に意識がはっきりし、入院から3ヶ月経った11月には少しずつ会
話もできるように。そんなある日、進さんはこう言いました。
「お正月は家で家族と過ごしたい」
 目に涙を浮かべる進さんを見て、なんとか実現させたいと思ったMさんたち。
さらに熱心に口腔ケアに取り組みました。そして大晦日と元旦の2日間、外泊の
許可が出たのです! 
 新年を自宅で迎えた進さんは「人生で最高のお正月だった」とMさんたちに深
々と頭を下げました。

「各自の判断で口腔ケアをしていたら、上手くいかなかったかもしれません」
 そう振り返るMさん。全員が同じケアをできたことはもちろんですが、他の看
護師も「お正月には自宅に帰れるように」という気持ちを持って連携できたこと
がプラスになったといいます。この出来事をきっかけに、看護師の口腔ケアへの
意識がより高まったそうです。