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口の「健美力」を高めよう

「3ゼロ6ゼロ12ゼロ」とは何か。歯は唾液中のカルシウムが付着する石灰化によって、生えて3年経つと硬くなるが、それまでが虫歯になりやすい。生涯にわたって噛める歯を保つには、すべての歯が永久歯に生え替わり、生活習慣が固まる12歳の時点がポイント。ここで虫歯がゼロならば、それ以前の乳歯の段階で虫歯になっていたとしても、あとは順調にいく。年齢に応じた留意点を説明するためにキーワードを作った。3ゼロは3歳までは虫歯なし。6ゼロは、6歳ごろに生えることから「6歳臼歯」と呼ばれる上下4本の永久歯を生えて3年間は虫歯にしないで、という意味。6歳臼歯は下顎をきちっと支え、噛み合わせや顔の骨格を形作る時に重要な歯だから、親には特に注意してほしい。そうして、12歳の時点で虫歯ゼロにしようというのが12ゼロゼロだ。12歳ともなれば口の管理はもう自己責任だが、6歳臼歯のさらに奥に第2大臼歯が生える時期でもある。ここは歯ブラシが当てづらく、虫歯になりやすい。健美力とは全身にわたる噛む効用をすべて話しても、聞く側には伝わらず、結局「なんとなく歯は大事なんだ」という程度の理解で終わりがち。そこで、最小限押さえるべきポイントを3つ感じで表現した。
                西日本新聞 2011.7.15