記事一覧

ためになるお口の話 唾液でストレス測定

ストレスの程度は唾液で測定できます。ストレスの評価方法には心理テスト、脳波や心拍を測定する方法、血液中のストレス指標物質を測定する方法などがありますが、いずれも専門家による分析が必要です。また、採血は痛みのストレスを与えてしまうため、測定結果に影響を及ぼすことが予想されます。そこで無痛で簡単に採取できる、唾液の中のストレス指標物質を調べる方法が注目を集めるようになりました。ヒトは、ストレスがかかると脳の視床下部からホルモンが放出され、唾液中のアミラーゼ、コルチゾール、クロモグラニンAといったストレス指標物質の分泌が増加するため、ストレス評価の研究に利用できるのです。アミラーゼは、でんぷんを分解する大切な酵素ですが、ストレスにより唾液中の濃度が大きく変動するため、そのでんぷん分解の原理を応用した簡易型ストレス測定器が発売されています。専用シートを「なめるだけ」で測定でき、値段も手頃なことから、ストレスを気にかける人に売れているようです。
               北海道新聞 2011.7.20