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誤嚥性肺炎防止へ口腔ケア指導

東日本大震災の避難所で心配されている高齢者の体調管理。通常の介護でも重視される口腔ケアは、水や歯磨き粉が不足する生活の中で後回しにされがちだが、、怠ると口の中に細菌が発生し、誤嚥性肺炎を招くこともある。家庭で介護している人も、口腔ケアの基礎知識を知っておきたい。
 避難所には支援物資として飲料水は届いていたが、ショックや混乱から口の衛生を気に掛ける人はいなかった。東日本大震災でも、避難所では栄養面に重点を置いた支援が講じられているが、口腔ケアがどこまで徹底されているか不明だ。洗面所についても十分な数や広さがないとみられる。
 歯ブラシがない場合は、食後にうがいをすれば食べかすや舌への付着物を除去できる。水が限られる場合は、少量でできるだけうがいの回数を多くすることが大切だ。歯が少なく粘膜の露出が多い人は、歯ブラシの代わりに綿棒を使い、食べかすをなで取るようにしてもよい。義歯については、避難所では人目を気にして、汚れても外さない高齢者がいた。毎日の洗浄が難しい場合は、週2、3階でも構わないので水洗いを。水がなければティッシュなどで拭くだけでもいい。
               神戸新聞 2011.4.5