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北海道における摂食嚥下障害対策に関する現状

介護保険制度は、制度施工後見直しが行われ、高齢者の生活機能の低下を未然に防止し、生活機能を維持・向上させるための介護予防を推進するなど、高齢期もしくは保健福祉サービスのあり方も大きな転換期を迎えている。
 今回の介護保険制度の見直しにおいて、介護予防事業の推進が重視されているが、高齢者の生活機能の低下を予防する上で、「食事」に大きな関わりがあり、摂食嚥下機能の改善等を目指した「口腔機能の向上」が介護予防の新たなサービスとして位置づけることとなった。
 人は食事によって生命活動を維持している。その食物を取り込み、胃に送り込むための一連の流れ(経過)が摂食嚥下である。この食べる機能の障害すなわち摂食嚥下障害は、誤嚥性肺炎や窒息の危険、脱水や低栄養の危険をもたらすばかりでなく、人間の基本的な欲望である「食べる喜び」が奪われ、その人のQOL(Quality Of Life)が著しく低下する。
 高齢者の摂食・嚥下機能の低下は、低栄養の重要なリスク因子であり、ADL(Activites of Daily Living:日常生活動作)や認知機能との関連が指摘されているか、免疫能の低下による気道感染や肺炎等の感染症発症の危険因子となっており、医療、リハビリテーション、介護など、高齢者の住宅・施設でのケアにおいて大きな課題となっている。
 特に、脳卒中等の中途障害後に、摂食嚥下障害が数多く認められており、今後、患者の増加が推測される。
 しかし、摂食嚥下障害に関する医療技術の歴史は新しく、摂食嚥下機能の検査、診断、訓練を行える施設、専門家は少ないことに加え、摂食嚥下障害対策に取り組んでいる機関・施設等についての情報は、集約化されていない状況にある。