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食事・発生 口の動き改善

食べ物をのみ込む時は、舌を上あごに押しつけて、喉に押し込む。その際は同時に、上あごの奥の軟らかい部分(軟口蓋)が上がって、口と鼻を結ぶ道路を塞いでいる。ところが、舌がんの手術後や、脳卒中の後遺症で舌や軟口蓋がまひすると、食べ物を押し込めなくなったり、誤って鼻の方に入ったりする。発声にも影響する。主に2種類の補助装置があり、ひとつは上あごの内側に装着する。舌が上あごに触れやすくなり、食べ物を喉に押し込みやすくなる。使い続けると、脳卒中のまひで不自由だった舌の動きが回復することもある。このタイプの補助装置は、口腔がんや脳卒中後の食事のリハビリを受けている患者に限り、保険がきく。もうひとつは、脳卒中によるまひなどで軟口蓋が上がらない場合、上あごに装着して軟口蓋を下から支えて持ち上げることで、食べ物が鼻に入らないようにする。使い続けると、軟口蓋の動きが回復し、不要になる場合もある。軟口蓋が上がらないと鼻に抜けたような感じの声になるため、発声障害の改善にも役立つ。上あごが生まれつき開いた口蓋裂の発音を直す装置として保険適用されている。
            読売新聞 2011年3月24日