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「お口ポカン」要注意

電車の中などで、口を開きっ放しにしている子どもを見かけることがある。人間は一般的に鼻で呼吸する。口呼吸が癖になると細菌などを取り込みやすくなり、病気にかかるリスクが増えるほか、歯の成長にも影響する。
 歯の内部には、表面の粘膜や織毛でホコリや微生物などの異物を取り除く働きがある。また、のどを痛めないように外部の乾いた空気に湿り気を与え、温めてから体内に取り込む加湿や加熱の機能もある。鼻はにおいを感じる機能だけでなく、体内に異物が入るのを防ぐフィルターの役目を果たしているというわけだ。
 口呼吸は歯の成長にも影響を与えると言われている。口を開けたままにしておくと唇や舌の位置が定まらず、歯並びも悪くなる恐れがある。また、口呼吸は虫歯になるリスクも高い。口を開いたままだと口内が乾いて、唾液の循環が悪くなり、歯を溶かす細菌が増えやすくなる。
                    毎日新聞 2011.1.9