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有床義歯 残存歯守り誤嚥防ぐ効果も

 歯周病や虫歯で失った歯を補う方法として、取り外し可能な有床義歯(入れ歯)がある。「歯が抜けたまま放置すれば、かみ合わせ、発音や見た目を悪くする。有床義歯は、残った歯が過度の負担を受け、抜けるのを防ぐ」と岡山大大学院医歯薬学総合研究科の皆木省吾教授(咬合・有床義歯補綴学)は効用を語る。入れ歯を長持ちさせるには、細菌の固まりである歯垢(プラーク)の除去が欠かせない。「付着した細菌は歯ブラシだけでは取り除けず、日に1回、義歯洗浄剤や超音波洗浄器を使うことを勧める」
 要介護高齢者に有効な総入れ歯が2008年、皆木教授が開発した「咬合・嚥下義歯」。口を開ける際、下唇に当たって外れやすい下顎の入れ歯から、前歯8本分を取り除いた形状。「入れ歯が安定して、かむ機能が回復し、誤嚥や転倒の防止効果がある。食事の介助時も、スプーンを口内に入れやすい」と話す。
                      2010.12.6