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つまようじ法で歯垢除去

歯を失う原因の9割を占める虫歯、歯周病を防ぐ予防歯科。「歯を抜かず、削らない歯科治療を目指し、各人に応じた予防処置をする」と岡山大大学院医歯薬学総合研究科の森田学教授(予防歯科学)は語る。
 虫歯や歯周病の原因は、ミュータンス菌をはじめとする口腔内の細菌。細菌と、細菌が糖類を材料に作る代謝物からなる歯垢(プラーク)が歯の表面や歯肉との間に付着し、症状を進行させる。細菌が出す酸で歯が溶けたり、歯周病が生じたりして歯を失うのだ。
 歯垢はうがいでは除去できず、歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロス(糸式ようじ)で取り除く必要がある。ここで役立つ歯磨き法が「つまようじ法」。岡山大歯学部の渡邊達夫名誉教授が考案し、歯周病の予防・治療に効果を挙げている。
 同法はまず、歯ブラシの毛先を歯と歯肉の境目に当て、上の歯は下向きに、下の歯は上向きに傾ける。そのままの角度で歯の表面を滑らせ、歯間に毛の一部を入れ歯垢を押し出す。こうして毛先を出し入れする動きを1ヶ所で10回程度、歯の裏側では歯ブラシの先端部を使って繰り返す。
                   山陽新聞 2010.10.4