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食べる幸せ取り戻す リハビリで胃ろう外す 出前の口腔ケアも

命果てるまで、口から食べたい。そう願う高齢者は多いが、老いを重ねると嚥下(飲み込み)の機能は低下する。お腹に穴を開けてチューブを通して、胃に直接栄養を入れるための「胃ろう」をつける高齢者も増えている。
 週一回の口腔リハビリテーションで、舌とほおのストレッチや誤嚥してもはき出せるよう呼吸訓練を実施。口に入れる食事は、ゼリー状のものからとろみをつけたものへと段階を踏んだ。水分も普通に飲めるように。そして7月、チューブを抜き、胃ろうを取った。今は細かく刻めば口から食べられるまで回復した。
 口に食べ物を入れない胃ろうの場合、口の中は汚れないようでも、唾液が出ないため汚れは落ちにくい。放置すれば、かむ力が弱まり、誤嚥性肺炎の原因にもなる。通院する体力がなくなったり、寝込んだりした高齢者に対しても、口腔ケアは不可欠だ。
                    朝日新聞 2010.10.7