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岡山県内歯科医ら、新組織「DNOW」結成 治療だけでなく予防にも力

ベトナム・ホーチミン市でストリートチルドレンらの歯科治療をボランティアで続けてきた県内の歯科医や岡山大歯学部教授らが新たなNPO「歯科ネットワーク岡山から世界へ」(DNOW)を結成した。同市内を中心に治療だけでなく予防にも力を入れた活動を計画し、同学部学生や歯科関係者らに広く参加を呼びかけている。29日には北区のホテルで発会式を開く。【小林一彦】

 代表(理事長)は瀬戸内市の歯科医、中條新次郎さん(50)。中條さんは広島県内に本部を持つ医療支援NPOの岡山支部長として毎年、ベトナムでの活動に携わっていたが、現地滞在時間の制約などもあり、どうしても抜歯中心の治療になっていた。このため、治療だけでなく予防のための指導や啓もうにも力を入れる活動にも取り組もうと、現地のNPOと協力し、同支部が独立する形で新たなNPOを立ち上げた。毎年、訪問して一時的治療だけでなく、経年的に治療や指導の効果の検証なども行う。

 中條さんの先輩で岡大歯学部の高柴正悟教授(歯周病態学)も理事として参加。学生らにも参加を呼びかけ、「世界貢献できる歯科医」育成の場とすることも目的だ。中條さんは「治療のやりっぱなしではなく、きちんとフォローする活動にしたい。歯科技工士など、歯科関係者が広く参加できる受け皿を目指す」と話している。
2010年8月13日 提供:毎日新聞社