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飲み下す力 訓練で回復

植物状態である遷延性意識障害の人にも口から食べてもらう試みをしているのは、歯科医で大阪大准教授の舘村卓(たかし)さんだ。在宅の80歳代の女性は脳内出血で遷延性意識障害になり、胃ろうにし、7年間、口から食べていなかった。家族が「口から食べさせたい」と希望し、舘村さんは唾液が飲めるが、舌が動くかなど口からのどにかけての機能を調べ、食べ物を飲み込む反射が残っていることを確認。口腔マッサージを家族に指導した。
 約1年後。ベットの背を50度前後に起こし、首を少し前に倒した姿勢で、食べ物を乗せたスプーンを舌に乗せ、軽く下に押してから引き抜くと、「もぐもぐ」と口を動かして飲み込んだ。状態のいい時はおかゆやつぶしたバナナなどを食べる。ただむやみに食べさせると、食物が気管に入って起こる誤嚥性肺炎や窒息の危険もあり、注意が必要だ。
                 読売新聞 2010.6.24