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交通事故死、半数が高齢者

内閣府は6月11日、2010年版の「交通安全白書」を発表した。昨年1年間の交通事故による死者4914人のうち、約半数に当たる2452人が65歳以上の高齢者だった。内訳は、75歳以上が1538人、65-74歳が914人。
 また、人口10万人当たりの死者数を見ると、全年齢平均が3.85人だったのに対し、65-74歳が6.09人、75歳以上が11.63人。

 高齢の交通事故死者を状態別に見ると、歩行中が1202人(49.0%)で最も多く、以下は自動車乗車中592人(24.1%)、自転車乗用中445人(18.1%)、原動機付自転車乗車中157人(6.4%)、自動二輪車乗車中45人(1.8%)と続いた。

■70歳以上の免許自主返納は4万4千件
 昨年1年間の運転免許証の自主返納(申請による運転免許取り消し)件数は5万1086件で、このうち70歳以上は4万4463件(87.0%)。また、過去5年間の運転経歴を証明する「運転経歴証明書」の交付は2万3048件で、このうち70歳以上は2万321件(88.2%)だった。運転経歴証明書の提示により、一部の百貨店や飲食店、観光・文化施設で割り引きなどの特典を受けることができる。

■高齢者の交通安全対策は?
 高齢者の交通安全対策をめぐっては、昨年6月から「講習予備検査」が始まった。75歳以上は運転免許を更新する際に、当日の年月日や時間を答えたり、描かれていたイラストを思い出して書いたりといった検査を受ける。結果は、「第1分類」(記憶力・判断力が低い)、「第2分類」(記憶力・判断力が少し低い)、「第3分類」(記憶力・判断力に心配はない)の3段階に分類される。第1分類でも免許の更新は可能だが、信号無視など特定の交通違反があった場合は、医療機関の診断などを受ける必要がある。認知症と診断されると、免許取り消しなどの処分を受ける。導入後半年間で23万7823人が講習予備検査を受け、5770人(2.4%)が第1分類と判定された。

 また今年4月19日から、70歳以上の高齢ドライバーらが専用区間内で「高齢運転者等標章」を掲示することで駐車が可能になる「高齢運転者等専用駐車区間制度」が導入されている。
( 2010年06月11日 19:46 キャリアブレイン )