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養育放棄3割が無職 経済格差も背景

児童虐待をした親や保護者について全国児童相談所長会が調べたところ、全体では2割が無職だったのに対し、ネグレクト(養育放棄)をした親などに限っては3割が無職で、1.5倍に上っていることが分かった。非正規雇用の割合も、全体では19%だったのにネグレクトでは26%。親たちの経済格差がネグレクトにつながっている疑いが浮かんだ。
 調査は08年4月の改正児童虐待防止法施行などを受け、同所長会が実施。同月から08年6月にかけ、全国195カ所の児童相談所が虐待として対応した8108人について集計した。
 加害者側の就労状況を見ると、全体では、正規就労が30.2%、無職20.4%、非正規就労19.2%の順。しかし、ネグレクトに限れば無職が30.9%、非正規雇用26.4%、正規就労19.3%、無職と非正規雇用の合計は6割近くに達した。
 虐待の背景とみられる家庭状況(複数回答)は、全体では経済的困難33.6%、親たちの心身状態に問題がある31.1%、ひとり親家庭26.5%。一方、ネグレクトに限ると、経済的困難54.1%、ひとり親家庭41.1%、親たちの心身状態に問題がある33.8%。全体では3分の1だった経済的困難が、ネグレクトでは半数を超えていた。
              小児歯科臨床 2010年5月号