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歯周病、脳梗塞リスク 菌、体内めぐり動脈硬化か

脳梗塞の患者は、歯周病菌に感染している割合の高いことが、広島大学の細見直永助教(脳神経内科)らの研究でわかった。歯周病菌が血液を通じて全身をめぐり、脳梗塞の原因となる動脈硬化を引き起こしている可能性があるという。研究成果は15日、盛岡市で開かれる日本脳卒中学会で発表される。
 細見さんらはさらに、脳梗塞の原因となる動脈硬化や脂質異常と歯周病菌とのかかわりを調べた。頸動脈の直径が75%以上詰まっている74人とそれ未満の169人を比べたところ、詰まっている人は歯周病菌の量が1.4倍高かった。血液中の中性脂肪や悪玉コレステロールの値が高い脂質異常症の人はそうでない人より1.5倍高かった。
 歯周病菌が歯茎から血液を通じて全身をめぐり動脈硬化を起こし、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす原因の一つになっているとされる。血管が脂の塊で詰まっている部分に歯周病菌が多く見つかったとする海外の報告もある。
              朝日新聞(大阪)2010.4.7