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新型インフル、流行と死亡例の年齢層にずれ―感染研

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全国の定点医療機関から報告があったインフルエンザ患者数に占める5-19歳の年齢群の割合は71.3%で、依然として高いことが、国立感染症研究所感染症情報センターの調べで分かった。患者のほとんどが新型インフルエンザとみられる。同センターで10月15日に開かれた勉強会で、安井良則主任研究官が明らかにした。ただ安井研究官は、死亡例は「成人層で目立つ」とし、今後注意深く観察する必要があると強調した。
 同センターによると、定点医療機関から今年の第28-40週(7月6日―10月4日)に報告されたインフルエンザ患者の年齢群別の割合は、10-14歳が31.0%で最も高く、これに5-9歳(24.3%)、15-19歳(16.0%)、0-4歳(10.3%)、20-29歳(8.0%)と続いた=グラフ1=。
 安井研究官は厚生労働省のデータを基に、10月6日までの新型インフルエンザによる入院例1615例の年齢群別の割合も示し、14歳以下が75.1%を占めたとした。中でも、5-9歳が38.0%で最も多く、10-14歳は20.1%、0-4歳は17.0%だった=グラフ2=。
 一方、9日までに報告された新型インフルエンザによる死亡例23例のうち、30歳以上が18例を占め、特に60歳代が5例で最多だったとした=グラフ3=。
 
 安井研究官は、「新型インフルエンザの流行は5-19歳が中心だが、入院は0-14歳が多数を占める」と指摘。また、流行や入院の中心となっている年齢層とは異なる成人層で死亡例が目立つとし、「注意深く観察していく必要がある」と述べた。

■入院患者の4人に1人が慢性呼吸器疾患
 安井研究官はまた、6日までの入院例1615例のうち、基礎疾患を有するのは618例で、このうち喘息などの慢性呼吸器疾患が395例だったことも明らかにした。
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