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日焼け止め、塗るなら毎日 肌の老化防止に効果

院長談
 寄る年なみには勝てません。朝テニスの一番の大敵は、相手でもパートナーでもなく紫外線です。

高齢者の肌に深いしわやしみなどができるのは、単なる老化現象ではなく、紫外線を浴び続けた影響による「光老化」と呼ばれる。この光老化の進行を抑えるには、日焼け止めを、必要を感じた時だけでなく毎日塗るのが有効だとするオーストラリアの研究が米医学誌に掲載された。意外なことに、日焼け止めで光老化を遅らせることができると厳密な試験で示したのは初めてという。

 研究は、豪クイーンズランド州に住む55歳未満の成人男女約900人を無作為にグループ分けし、1992年から4年間追跡した。全体の半数には、顔、首、両腕、両手に毎朝日焼け止めを塗るよう指示。汗をかいたり数時間以上日光を浴びたりした後には塗り直してもらった。残り半数は、自分が必要と感じた時だけ日焼け止めを使った。使用した日焼け止めは、地表への到達量が多いA波(UVA)と、有害作用がより強いB波(UVB)の両方を防ぐタイプ。

 光老化の進み具合は、シリコーン剤を使って被験者の左手の甲のしわやきめの状態を詳細に型取りして1~6の6段階で評価し、研究開始時と終了時にどれだけ変化するかを数値で比較した。開始時は817人、終了時は673人の型が採取できた。

 各グループの光老化進行リスクを算出したところ、自己判断で日焼け止めを使ったグループは、4年後に光老化が進むリスクが明らかに上がっていたが、「毎日使用」のグループは4年後の明らかなリスク上昇は見られず、毎日の日焼け止め使用で光老化リスクは24%低下するという結果になった。