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研究力強化で12大学支援 文科省、5年間で55億円 北海道大や神戸大

文部科学省は22日、地域の中核で特色ある研究に取り組む大学を支援する事業で、応募があった69校から北海道大や神戸大など12校を初めての支援対象に選んだと発表した。低下が指摘される国の研究力を底上げする目的で、早ければ2024年から各校に5年間で最大55億円程度を助成する。支援は最長10年を見込んでおり、5年目をめどに評価し、その後の支援について判断する。

 対象は、北大、千葉大、東京農工大、東京芸術大、慶応大、金沢大、信州大、大阪公立大、神戸大、岡山大、広島大、沖縄科学技術大学院大(OIST)。今後10年の事業方針で、地球環境を再生する持続的食料生産システムの構築(北大)、免疫学・ワクチン学研究の強化(千葉大)、バイオものづくりの卓越した基礎研究(神戸大)などが評価された。助成金は日本学術振興会に設けた基金から支出され、研究者雇用や実験設備の購入などに充てられる。

 国の大学支援の枠組みには、世界トップクラスの研究水準を目指す「国際卓越研究大学」制度がある。年間数百億円を助成する仕組みで、東北大が初の認定候補になった。文科省は中核大学の支援体制も整え、日本全体の研究力底上げを図る。

 文科省は24年度以降も支援する地域の中核大学を公募し、今回の12校を含めて最多で計25校程度に助成する方針。