スポーツ外傷から歯を守る

マウスガード

スポーツとマウスガード

　体を接触させる機会の多い激しいスポーツは、歯が折れたり、口の中が傷ついたり、あごや顔面に損傷を受ける危険性があり、スポーツ事故を防止するために、マウスピース　（マウスガード・プロテクター）　を上あごの歯列に装着することが推奨されています。アメリカンフットポール、ボクシング、空手（一部の流派）では義務化されていますが、ラグビー、サッカー、バスケット、スノーボードなども装着したほうがよさそうです。
マウスピースは、市販のものと、カスタムメイドのものがあり、材料は弾力性のある、エチレンビニールアセテート・ポリ塩化ビニールなどが使われています。もちろん、カスタムメイドの方が、装着時の違和感は少ないです。これは、歯科医院で製作してもらうことができますので、スポーツをされている方は一度ご相談してみてはいかがでしょうか？

種目	団体	ルール
ボクシング	日本アマチュアボクシング連盟	完全義務化
空手	全日本空手道連盟極真会館	流派・大会による壮年・女子では義務化
アメリカンフットボール	日本社会人アメリカンフットボール協会	完全義務化（カラー指定）
ラグビー	日本ラグビーフットボール協会	高校生は義務化
アイスホッケー	日本アイスホッケー連盟	使用ヘルメットと年齢条件あり
ラクロス	日本ラクロス協会	女子のみ完全義務化

マウスガードの効果

①顔面に前方および側方から直接受ける外力から歯、歯周組織（特に上顎前歯部）を保護する。
②外力による口唇、舌、頬への損傷、および上下顎骨骨折の防止。
③下顎に外力が加わった時、上顎との接触（衝撃性閉口）から歯、歯周組織、補綴物等の修復物を保護する。
④外力からの顎関節の保護。
⑤スポーツ時の強度のクレンチングに対し、直接的な歯の接触が避けられるので歯や歯周組織が保護できる。

さらに下顎へ外力が下方または側方から加わった場合、マウスガード装着によりクレンチング強度が増大し、頭頸肩部の筋の活動が亢進することから頭部の固定力が強化される。

その結果、脳震盪や脳へのダメージを軽減し併せて頸部損傷を減少させると考えられる。

外傷の比較

	マウスガード常時使用	マウスガード常時未使用
軟組織損傷	5	26
歯の破折	1	7
歯の脱臼	0	1
下顎の脱臼	0	1
顎骨骨折	0	1
不明	0	2

マウスガード製作費用

マウスガードに関する資料　マウスガードの製作費用は製作する医院によりまちまちですが、旭川スポーツ歯学研修会（やぶしたフラワー歯科医院のホームページのリンクに記載）の会員は、マウスガードを作製しております。
　　一般　5,000円
　詳細については、こちらのホームページにて御確認ください。