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さらなる異常事態、この時期のインフル流行

新型コロナウイルス感染症が登場する以前は、12月から2月に流行する冬の代表格でしたが、コロナ禍のここ数年はほとんど発生件数がなくて、当救急クリニックでもインフルエンザ抗原の検査もほとんど行ってきませんでした。

 しかし、新型コロナが感染症法5類に移行した5月からコロナ禍でやっていたような感染対策を徐々にではありますが至る所でしなくなってしまい、密な状況を作り、マスクもしなくなったことで夏の間にいつの間にか第9波に突入していたと思われる状況であります。そうなってきたのと同時に、小中学校でインフルエンザが流行ってきました。夏休みが終わった9月上旬頃から徐々に新型コロナウイルス抗原陽性者よりも、インフルエンザA型の患者が増加してきました。

88.7%が今の健康保険証「残して」 沖縄民医連調べ 11月に廃止反対連絡会を結成

沖縄県民主医療機関連合会(沖縄民医連)など県内6団体は20日、マイナンバーカードに健康保険証の機能を持たせた「マイナ保険証」について、県内介護事業所を対象にしたアンケート結果を発表した。回答した職員や利用者ら764人のうち、88・7%が「今の保険証を残してほしい」としていることから、11月に廃止反対連絡会の結成総会を開く。

 政府は来年秋に現行の健康保険証を廃止して、マイナカードに一本化する方針だ。沖縄民医連は高齢者の保険証を預かる介護現場で情報漏えいなどの負担感が増す懸念があるとして、9~10月に県内1200事業所を対象に緊急アンケートを実施。介護職員597人、家族を含む介護利用者167人から回答を得た。利用者に限ると、廃止反対は95・0%だった。

 自由記述では「マイナカードを持ち歩くのは危険。通院が厳しくなる」(80代利用者)、「保険証を施設で預かっているが、マイナ保険証になれば管理の問題が出てきて困る」(50代職員)、「今の保険証で不便はない」(70代利用者)などがあった。マイナ保険証利用率は6・4%だった。

 高崎大史事務局次長は「保険証の廃止は弱い立場の人を考慮しておらず、国民皆保険制度の根幹を破壊するものだ」と批判した。

 沖縄民医連のほか、県保険医協会、沖縄医療生活協同組合、県医療福祉労働組合連合会、県社会保障推進協議会、社会福祉法人沖縄にじの会の6団体は11月17日、那覇市の沖縄産業支援センターで廃止反対連絡会の結成総会を開く。

【佐賀】過疎地医療に向き合う姿勢と覚悟が評価され「第10回やぶ医者大賞」受賞‐阿部智介・七山診療所所長に聞く

 “やぶ医者の語源が、養父の名医”である説にちなみ、若手医師の育成と医療過疎地域の医師確保および地域医療の発展に寄与することを目的とした「第10回やぶ医者大賞」(兵庫県養父市主催)に七山診療所(唐津市)で所長を務める阿部智介氏が選ばれた。賞の審査会で高く評価された医療機関の集約や住民の自助力を向上させるための巡回寺子屋、独自に作成した「いきかたノート(R)」などについて阿部智介氏に聞いた。(2023年8月21日オンラインインタビュー、計2回連載の1回目)

▼第2回はこちら(近日公開)

――「第10回やぶ医者大賞」にエントリーされた経緯を教えてください。

 佐賀大学医学部長の末岡栄三朗教授から推薦のお話をいただきました。その時は、一介の村医者である私がどうしてと思い、正直なところとても驚きました。その後、「やぶ医者大賞」で多くの受賞者を出している自治医科大学出身の医師から、「『やぶ医者大賞』は公的団体の他薦しか受け付けていません。そのため、エントリーする段階で、第三者が候補者の考えや行動を理解し評価するというプロセスが必要になります。だからエントリーすること自体が、そもそも簡単なことではありません」という話を聞きました。末岡先生が私の活動を見てくれていたのだと思うと、うれしい気持ちになりました。

特養、62%が赤字経営 物価高、22年度団体調査

 寝たきりなど要介護度の比較的高い人が生活する特別養護老人ホーム(特養)の62・0%が2022年度、赤字経営だったことが13日、全国老人福祉施設協議会の調査で分かった。02年度の調査開始以来、初めて60・0%を超えた。前年度は43・0%。担当者は「新型コロナウイルス禍の利用控えに加え、光熱費や食材費など物価高で一層厳しくなった」と述べた。

 介護事業者がサービスの対価として受け取る報酬は、国が3年に1度改定して決める公定価格。その間に物価高などで出費が増えても、自由に価格に転嫁できないという事情がある。

 国や自治体がコロナ禍などでの経営を支えるため配った補助金を収支に加えても、22年度は特養の51・0%が赤字だった。

 各施設の収入に占める利益の割合「利益率」を平均すると、前年度比3・6ポイント減のマイナス2・8%だった。マイナスは初めて。施設を運営しても損失が発生しやすい状況となった。

 特養の一部は、高齢者を日帰りで受け入れ、入浴介助など通所介護(デイサービス)も実施している。この通所介護の利益率は、3・8ポイント減のマイナス5・0%だった。

 調査は今年7~8月、協議会に加入する全国の特養1600施設の回答を集計した。

てんかん:てんかん精通の薬剤師対応 都島に薬局オープン 大阪市立総合医療センターそば 複雑な服薬法、詳しく説明

てんかん:てんかん精通の薬剤師対応 都島に薬局オープン 大阪市立総合医療センターそば 複雑な服薬法、詳しく説明 /大阪

 てんかんに詳しい薬剤師をそろえた保険薬局が2日、大阪市都島区都島本通2の市立総合医療センターのすぐそばにオープンした。難治性のてんかんでは、さまざまな用途の薬を組み合わせたり、症状に応じて変更したりするなどの対応が必要。患者本人や家族も服用に慣れないため、診療時間内に十分な説明を受けられない現状がある。代わりに知識を持った薬剤師が対応することで医師、患者双方にメリットがあると期待されている。【高野聡】

 「nanacara(ナナカラ)薬局」。てんかん患者向けアプリ「ナナカラ」を開発したベンチャー企業「ノックオンザドア」(東京都港区)が運営する。開業に際してスタッフを募集し、理念に賛同する薬剤師2人を含む4人を採用した。

 てんかん治療薬は約30種あるとされ、先発品、後発品を区別すれば約60種にも及ぶ。これらを適切に組み合わせれば、日常的に発作を抑え、通常の生活が送れるが、それには患者の年齢や症状によって薬を変更したり、複数の薬を組み合わせたりする必要がある。また主治医が患者やその家族に薬の服用方法を説明しても、複雑でわかりにくく、診療時間に影響するという弊害があった。詳しい説明を薬剤師に任せられれば、より診療に時間が充てられる。

 採用されたスタッフは約2カ月間、てんかん専門医の講習会を受講したり、患者から聞き取りをしたりして、専門知識を蓄積した。薬局の統括責任者で薬剤師の中田紘史さん(47)は「今後も継続的にてんかん専門医らから知識を吸収していく」と話す。

 薬局はバギー型車椅子を使うてんかん患者やその家族が訪れやすいよう、スロープや多目的トイレを設けてバリアフリー化を実現した。また総合医療センターは遠隔地と結んだてんかんのオンライン診療も実施しており、必要な薬剤の発送業務もナナカラ薬局で対応する。

百歳以上、9万2139人 53年連続増、女性が88% 最高齢は116歳 「敬老の日」で厚労省

 「敬老の日」(今年は18日)を前に、厚生労働省は15日、全国の100歳以上の高齢者が過去最多の9万2139人になったと発表した。昨年から1613人増え53年連続で増加。全体のうち女性が8万1589人と88・5%を占め、男性は1万550人。最高齢は116歳だった。

 老人福祉法で「老人の日」と定めた15日時点で100歳以上の高齢者の数を、1日時点の住民基本台帳を基に集計した。昨年からの増加数は男性が185人、女性は1428人。2023年度中に100歳になる人は4万7107人(前年度比1966人増)だった。

 女性の最高齢は大阪府柏原市の巽(たつみ)フサさんで、1907(明治40)年4月25日生まれの116歳。男性は千葉県館山市の薗部儀三郎(そのべ・ぎさぶろう)さんで、11(明治44)年11月6日生まれの111歳。

 人口10万人当たりの100歳以上の高齢者数は73・74人。都道府県別では、島根が11年連続最多で155・17人、次いで高知146・01人、鳥取126・29人の順だった。埼玉が44・79人で最も少なかった。

 100歳以上の高齢者は調査を始めた63年が153人で、81年に千人を突破。98年には1万人を超えた。医療や介護などの充実が背景とされる。

 厚労省によると、22年の日本人の平均寿命は女性が87・09歳、男性が81・05歳となり、2年連続で前年を下回った。新型コロナウイルス流行の影響とみられる。

特養で誤嚥死、賠償命令 2500万円

〇市の特別養護老人ホームで2021年、パーキンソン病だった入所者の80代男性が食事中に誤嚥(ごえん)死したのは、施設が注意義務を怠ったためだとして、遺族3人が運営元の社会福祉法人に約3千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、地裁は7日、約2500万円を支払うよう命じた。

 裁判官は判決理由で、亡くなる1カ月半前にも朝食を喉に詰まらせ、むせ込んだことがあり、同じように食事を提供すれば、より重大な結果が生じる危険を認識できたと指摘した。

 その上で、介護記録にむせ込んだ事実が記載されていないなどとして「十分な情報共有や原因分析がされなかったとうかがわれる」と過失を認定した。

 判決によると、男性は19年に入居。21年11月26日、朝食のロールパンを喉に詰まらせ、病院に救急搬送されたが、死亡した。

 

ヘルパンギーナ:ヘルパンギーナ、流行警報レベル

乳幼児がかかりやすい夏風邪「ヘルパンギーナ」の流行が拡大している。国立感染症研究所が11日に公表した速報値によると、直近1週間の全国の1医療機関あたり患者数は6・48人(前週は5・79人)。過去10年で初めて、全国平均では警報レベル(6人)となった。

 ヘルパンギーナは接触や飛沫(ひまつ)などによって感染する。38~40度の発熱と、口の中やのどに直径1~5ミリ程度の小さな水疱(すいほう)ができるのが特徴。

 感染研によると、全国約3000の小児科定点医療機関からの報告数は6月に入って急増している。直近1週間(6月26日~7月2日)の感染者数は、都道府県別では宮城(15・85人)、三重(12・38人)が多く、25都道府県で警報レベルとなった。

 この他、乳幼児に多い呼吸器疾患「RSウイルス感染症」の患者も増加傾向が続き、直近1週間の小児患者数は9981人、1医療機関あたりの患者数は3・17人と前年同期の約3倍に増えている。

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